昨今の「ビオトープ」は、都市部ではかつてあったもともとの風景≠ニいったものの再生を目指し、また郡部では今 残る風景≠フ保全を目指すもの、の方向にあります。渋川小学校ビオトープでは周辺環境から前者の再生、復元が主目的の活動テーマになる。
今の時代から見て、もともとの風景 とは?
人間が化石エネルギーを頻繁に消費するようになる時代 以前 のことか? そんなことを考えてみました。
コンバインも耕運機もない、牛馬を使い田畑を耕していた頃。生活の雑排水や汚水が垂れ流しであっても、水路や小川の雑草や生物の豊富さで分解、浄化も自然となされていた頃。自然はたくましく豊かだったと言える。(?) そんな時代を源風景と称し、里山の景色と重ねてみる。再生、保全が目的であって 懐古趣味に浸るのではない。
もっと、もっと昔。有史以前。ヒトが二足歩行を始め、火を使い、言葉を操り、道具を使い始めた頃から 既に人による環境破壊も始まっていた。文明らしきものが芽生えて1万2千年。人が農耕文明を手にし、定住型の生活をすることになり その時代での環境破壊は田畑を開発することであったはずである。
現代を生きる我々、これから未来を生きていく子供たちが主役であって、これからの地球環境を棲みよいものになるように と考えるのがわたしたちのビオトープ考です。
産業革命以降 化石エネルギーの量産、消費に拍車がかかり、人の生活は爆発的に豊かになりました。この豊かさと引き換えに 水、大気、海の汚染も加速度的に引き起こすことになり、地球温暖化現象にも繋がる今≠ェあるわけです。 そんな要因から生態系のバランスも壊してきました。こういった反省からビオトープ研究が生まれたのでしょう。
今、在る(残る)環境の保全、失ってきた環境の再生、復元が主目的で 学校ビオトープはそのためのひとつの実験場であるのだと考えるのです。
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