No.20 〜 No.16

最新のページへ

    No.20  2004.06.26(Sat.)  雨・曇り 水温 24.0℃ 気温 26.0℃

アミミドロ ↑ 写真は野田先生提供

 

 

 

ウンカの蛹に成りかけを蟻が襲う

ナメクジ?

雨空の日の清涼剤 「ツユクサ」 

 午前9時に覗いています。先日月曜日に台風6号が兵庫県から京都府西部を北東方向に抜け日本海へでました。台風の東側に位置することで、衰えかけた台風と言えども強風が吹きました。雨量は心配していたほどのものにはならずビオトープの被害も無いように思われます。浮き藻が流されましたが、今日はすでに繁殖し排水口前の溜りに広がっています。

 先週号でこの浮き藻について“アオミドロの一種と思われるネット状で筒状の形で増殖する藻が”と紹介しましたが、名称が「アミミドロ」であると判明しましたので、お伝えします。

 科学館のプラネタリウムの周囲には深さ20cmほどの池がありますが、今年の夏、この池に緑色の藻が発生しました。初めは陽だまりの水面にわずかに浮いていただけでしたが、秋には池の半分以上を覆ってしまいました。
  すくい取って広げると、ミカンを入れる袋のような網状の美しい藻です。名前は「アミミドロ」、英名はWaterNetというようです。平凡社の世界大百科事典によると『春夏のころ、池、水田、小川などに生ずる緑藻類の1種。アミミドロ科。小さい網袋状で全体の長さ数cmから数十cmになる。網の目は初め小さいが、成長するにしたがい大きくなり、五角形または六角形でその1辺は1個の細長い細胞からできている。中に緑色の色素がある。・・・・』とありました。
  池から出して水の切れたアミミドロの手触りは、縫いぐるみの中に入れる綿のようです。池の中にはさまざまな成長過程のものがありますが、写真のものは網目の1辺が約2〜3mm。成長したものは1cm以上になり、鉛筆を通すこともできそうです。来館した小学生に小さな網目のものを展示室の顕微鏡で70倍に拡大して見てもらったところ、緑色の細胞がびっしりと規則正しく並んでいるアミミドロの美しさにびっくりしていました。
  ところで、この網の袋はどうやって生まれて、どのように大きくなるのでしょうか?実は、親のアミミドロの中に、子のアミミドロの網袋(親のミニチュア)がつくられ、その後、この袋は赤ちゃんが大人へと成長するように全体的に大きくなるのです。
  アミミドロの増殖は無性生殖による場合が多いようです。このとき@1つの細胞内には数千個の遊走子(無性生殖を行う胞子の1種で、鞭毛を持っていて水中を運動するもの)がつくられます。もちろん、他のたくさんの細胞でも同じようにつくられます。遊走子は体外に泳ぎ出ることはありません。A母細胞内で互いに前端と後端とで接着し、五角形または六角形の間隙をつくるように並びます。遊走子はそのままの状態で成長する(細胞の壁を作って円柱形になる)ので、全体は網袋のようになります。Bやがて、母細胞が破れると外に放出され、C網袋は破れて1枚の網のように広がりDしだいに大きくなっていきます。条件のよい富栄養の場所では、非常に短期間のうちにどんどん増えます。増えてしまったアミミドロを少々取り除いてもすぐに元のようになるのは、このような増え方をするからです。しかも、池の中にいるメダカやミジンコはあまりアミミドロのように群体をつくる藻を食べません。
  アミミドロの「ミドロ」とは、どんな意味かご存知ですか。昔、科学的研究が未発達のころ、水生植物については一括してモ(藻)と呼んでいました。ところが、その中でも大型の種類についてはおおざっぱな種類わけはしていたようで、細長い糸状あるいは毛状の藻がもつれ合う状態で生えるものについてはミドロ(アオミドロ、シオミドロ)といったようです。このミドロというのは、古語に、蔓(つる)状の雑草がおい茂っているなかを押し分けて進むのを「おどろが下を踏み分けて・・・・」といったり、髪の毛の手入れをしないで長くモサモサさせているのを「髪をおどろに振り乱し・・・・」などと表現したその「おどろ」から転じてミドロになったといわれています。
 アミミドロは世界中に分布し、水田の雑草として嫌われ、特に利用価値はないようですが、細胞の近くには発生する酸素を求めて好気性の細菌が集まり、それを食べに動物性プランクトンも集まります。水面を覆うことで小さな魚にとっては隠れ家にもなり、多くの生き物の生息場所にもなっています。
  身近にある池の中のものを調べてみても、新しい発見はたくさんあるものですね。
        (向井千秋記念子ども科学館 橋本さと子)

 ジュズダマの株近く、ウンカが蛹を形成中に、蟻が襲う光景を見ました。蟻を是まで見かけませんでしたが、これもビオトープの新しい訪問者になりますね。

 貝殻を背負わないカタツムリが居ました。貝殻は何処へ。ナメクジなのでしょうか。これも調べておきます。

ページの最初に戻る

 

   No.19  2004.06.19(Sat.) 18日 曇り 水温 27.0℃ 気温 26.5℃

 今週号は昨日、金曜日の状況です。私事の都合で昨日にビオトープを覗いています。薄日がたまに差すものの曇り勝ちの今日、昨日でした。台風6号の接近が気になります。

 三日前から水路から揚げられた水にアオミドロの一種と思われるネット状で筒状の形で増殖する藻が入り込み池の半分を占めるまでに広がっています。これまでの髪の毛状のものと違っているので違う種類か?次号までに調べておくことにします。

 写真に捉えられていませんが、シオカラトンボ、イトトンボの飛来も確認されています。夏本番を間近に賑やかになりそうです。他に新発見が続きます。少し細めの巻貝のカワニナが観られました。やはり川床に入れた田んぼの土に居たものが姿を現したのでしょうか。

 水辺植物のジュズダマの葉やカエルグサの葉にはウンカの幼虫でしょうか、葉を丸めサナギへの準備をするものが観られました。

 徐々にですが生き物が豊かになって来ております。週に一度ではありますがその都度、新しい訪問者に遭遇し、発見が有りますからなかなか面白いですよ。是非皆様にも足を運んでいただいて、じっくり観察して欲しいものです。

 ビオトープの外になりますが学校施設のひとつ百葉箱が設置されました。「ビオトープの会」には直接関係のない施設でしょうが、何かの観察資料になればお借りすることで、気象との関係も学習出来るかも知れません。

 

↑新設された百葉箱

2の溜り、3の溜りにぎっしり広がったアミミドロの藻 ↓

 巻貝「カワニナ」 13mm大 ↑ 

 ウンカの幼虫 ↓

葉を丸めて幼虫が入っている ↑

 ページの最初に戻る

 

  No.18  2004.06.12(Sat.) 曇り 水温 22.0℃ 気温 23.5℃

 ピンぼけ写真でごめんなさい。クモの巣が張られており、中央にクモが居るのですが・・ ↓

  ↑ シマイシヒルとモノアラガイとの格闘。ヒルの下方内側にカイがいます。

管理作業の一環、子供向けの注意看板を設置しました。 ↑

午前8時30分に覗いています。昨夜は台風4号から変わった熱帯低気圧が近畿地方を通過しました。一時豪雨とも言える強い雨が降りましたが、幸い池には大きな被害がなく今朝は何時ものような穏やかなビオトープの状態を保っています。今日はこれからお天気は回復傾向にあるとのこと。

 かたまった雨量の時はオーバーフローの排水口からはやはりかなりの量の水が吐き出されます。一部子メダカなどは流されてしまっていることと思われますが、こういうこともあって数のバランスも取れるものだとおもいます。降雨時は意外と溜りの深部でじっとしているもので、見た限りでは数の減少は無いように感じられます。

 弱肉強食の世界、小さいながら生態系が出来つつあります。クモの巣張りが3ヶ所有りました。近づくユスリカなどの捕食が可能になったということでしょうか。シマイシヒルがモノアラガイと格闘しておりました。どちらが捕食の対象なのか(私には)解かりませんでしたが、見ているとヒルの方が最終的には逃げ出したようです。

6月 6日(日曜日)第一回 管理・観察会開催

 渋川ビオトープの会発足以降の初めてになる第一回目の管理作業および観測会を開催することが出来ました。小学校の先生は別として、素人集団での手探り状態でのスタートです。それぞれの参加者が“ビオトープづくり”から試行錯誤を繰り返しながら学習を積み上げて来ており、専門家不在ではありますが今後も他ビオトープとは違った活動が展開されて行きそうです。地域、学校、子ども、PTAとそれぞれ違った立場で一つの活動を支持、とりあえず変化を続けるビオトープの様子を注視していくことが必要な動きと言うことになるでしょうか。

 早朝、雨降りの天気でしたが、9時を過ぎる頃には雨も止み、ビオトープ内での作業、観察会には何等不都合はなく、41名もの参加があり、午前中のプログラムだけはありましたが、まずまずの第一回めのスタートになりました。(小生、私事で欠席しました。お詫び申し上げます)

 第一回管理・観察会開催の模様。ゴミ拾い作業や水中ポンプのしくみを知るなど、管理に関するプログラムのあと、雑草名や水草の名前を調べる学習プログラムをし、ふれあいホールに入り、これまでの活動の記録をスクリーンで見たり、草の名前の確認などの学習をしました。

 素人に解かりやすい植物図鑑です。 道端の雑草から山野草に至るまで写真付で解説されています。見慣れた雑草で名前の不明なものを検索してみましょう。 ↓

素人植物図鑑 「 草 」   http://www22.ocn.ne.jp/~tamukai/

 ページの最初に戻る

 

   No.17  2004.06.06(Sat.) 曇り 水温 23.0℃

 6月に入りました。梅雨も間近、そしてやがて夏本番ですね。初めてのビオトープの夏を迎えます。活気の有る大きな変化を期待したい処です。

 今日は私事で出掛けておりまして、ビオトープを覗けてたのは午後も4時が過ぎておりました。明日から曇り勝ちの梅雨空に変わるとの予報が出ていますが、そんな感じはなく強い日差しがが残り気温も28℃快晴のお天気です。

 メダカは元気ですよ。めだかの学校と言うのが在れば面白いのですが、生まれ時期の同じ大きさのメダカ同士が列をなして泳ぐ姿が見られます。けっして大きさが違うメダカが混ざりあって泳ぐことはありません。低学年から高学年、ちゃんと秩序よく分かれているようで、それぞれのクラス編成ができています。

 遂にギンヤンマが飛来、写真に捉えられました。5月30日(日曜日)記念すべき日になりました。トンボの種類は違うにしろ、いずれ訪れるだろうと期待しておりましたが、第一号が「クロスジギンヤンマ」とはおどろきでした。産卵のためにやって来たものでカヤツリグサの枯れ枝に足を踏ん張り、水中に卵を産むところをカメラに納まりました。ヤゴが育ち、このビオトープ生まれのトンボが元気に旅たつことを楽しみにしましょう。

今日のビオトープの様子 ↑

 

クロスジギンヤンマ♀ ↑ 

下左写真の白丸にギンヤンマがいます。

クロスジギンヤンマ♀ 野田先生写真提供 04.05.30 産卵のためやって来ました メス

http://homepage1.nifty.com/shoshim/2003kiroku.htm

ページの最初に戻る

 

   No.16  2004.05.29(Sat.) 曇り 水温 22.0℃

先週掲載したモノアライガイの卵がヤナギモに付着しています。 ↓ 直径5〜6mmの卵嚢に包まれていて、手にするとゼリー状です。

 

 

 今日の子メダカの様子4〜5mm程度の大きさです。↓ 

 今日も朝9時にビオトープを覗いています。気温はすでに23℃。少しばかりの日差しはありますが徐々に厚い雲に包まれつつあり、午後遅くには雨に変わるでしょう。蒸し暑く、梅雨の間近なことを感じさせます。

 今日は野田先生と共に観察することができました。観察のポイントとしてじっくりと水面を凝視すること、また水中の藻も手に取り上げて触ってみることを教わりました。実際に珪藻藻のアオミドロの塊をすくい上げ、拡げてみて、触って見ることでメダカの卵が数多く手に感触として伝わり、また目にすることも出来ます。他にミジンコなんかも付着していて動くのでそれだと解かりますヨ。

 4月中旬こらから見られた子メダカはすでに成魚に近い大きさになっており、なおも次々と生まれてきています。この池で生まれて、成長したメダカがやがて次の卵を産み、その子メダカも泳ぎ出すことも近いことでしょう。

 5月26日、ギンヤンマの飛来が目撃されました。その後の姿は見られないようですが、やがて種類も 数ももっと頻繁に見ることが出来る時期が近いことを伺わせます。そしてヤゴを観測できることも楽しみになるでしょう。夏本番に向け、もっと賑やかになることを期待したいと思います。

 困ったこと。人の居ない時を見計らって、池のメダカをタモですくい、持ち帰ろうとする心ない人が居たそうです。まだ若そうな男だったそうで注意を受け、そそくさ引き上げたようです。商売にでもするつもりだったのでしょうか。自分で飼うって雰囲気のものじゃなかったと聞きます。

 何かお気付のことがあればお知らせ頂くか、学校の方へお伝え下さい。

ページの最初に戻る

 定義・目的 位置・場所 リンク

 トップ

biotop of shibukawa 

 Copyright (C) 2004 
最終更新日 : 2006/08/12

biotop of shibukawa 

 Copyright (C) 2004 
最終更新日 : 2015/05/02